本部棟前の地下にあります
本部棟から池側の階段を下りて,地下駐車場の脇に,この大学の廃水処理施設が存在している。
活性汚泥-砂ろ過-活性炭
処理プロセスは,活性汚泥-砂ろ過-活性炭で,制限曝気による脱窒素や(必要時に)凝集によるリン除去も併用している。大学からの廃水(し尿と雑排水の両方)を全量このフローで処理しています。処理した水の約1/3をトイレフラッシュ水として再利用し,残りの2/3は調整池へ放流されて調整池の富栄養化に貢献しています。「下水処理水を便所洗浄水以外の用途(散水, 修景, 清掃)に適用する場合は,し尿を含む排水を原水としてはならない」という建築物衛生法の規則との整合からか,この大学での処理水の用途は,便所洗浄水だけであり,調整池はあくまで排水の調整池であって,修景の要素はないということか,あるいは,建築物衛生法は,建物の中での利用の限定であるから,建物の外の池は,修景の要素を持った池であっても,使用してよいということなのだろうと思います。
研究所棟のトイレの水は,再利用水。やや黄色がかっています。処理施設の設計は荏原,維持管理は水ing(= 荏原系のメンテナンス会社)です。施工は熊谷組。反応タンクの容量の一部を雨天時不明水対策で空けているので,やや容積負荷が大きく,MLSS 4,000mg/L程度でリアクター運転を行っています。その他の運転実績は以下の通りです。
2009年実績指標
- 処理実績(2009):流入水量 90,910m3, 中水造水量 31,347m3,放流排水量 58,407m3
- もっとも処理水量の少ない時期: 2月 6,217m3
- もっとも処理水量の多い時期: 10月 9,191m3
- 流入水質(2009平均):COD 153 mg/L, BOD 275 mg/L, TN 71.5 mg/L,TP 10.1 mg/L
- 処理水質(放流,中水) (2009平均):COD 6.3 mg/L, BOD 1 mg/L, TN 19.7 mg/L, TP 3.1 mg/L
本処理施設に適用される排水規制
- 排水基準: COD 30 mg/L, BOD 30 mg/L, TN 40 mg/L, TP 6 mg/L
- 第6次総量規制(東京湾): COD 11.8 kg/d, TN 10.0kg/d, TP 2.36 kg/d